スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
シークエル(続三部作)の三作目であり、オリジナル(旧三部作)プリクエル(新三部作)からの全9部作の最後のスターウォーズ。
今まで長きにわたり楽しませてもらっていたが、今回初めて泣いた。
毎回張り切って劇場へ足を運びお決まりのオープニングにワクワクし、
25年ぶりのエピソード1ファントムメナスの公開日にはライトセーバー持参で駆けつけ、
エピソード3シスの復讐からさらに10年、ルーカスの構想では9部作だったが6部作で打ち止めでこの先は見られないと思っていたらディズニーのルーカスフィルム買収に驚き、そしてスターウォーズが永遠の命を得たことに歓喜し、
エピソード7フォースの覚醒にはストームトルーパーに扮してその動きにくさに難儀しながら鑑賞して、時には心から楽しみ、時には不満を抱きながら、銀河の冒険譚は人生と密接に絡んで共に歩んできた。
思えばSWは本当に人生に影響していて、現在の仕事につながる出会いのきっかけはSWだったし、人生の伴侶と親しくなったきっかけの一つはSWだったように思う。
それだけ実生活にまで影響を与えたSWだったが、あくまで娯楽作品であって感動して泣くことはなかった。
率直な感想でいうと、エピソード7の時にも思ったがJJエイブラムス良くやった、と言った感じ。
要素が詰め込まれていて若干駆け足な感があるのは否めないが、9部作の総決算でいろいろと決着をつけなければいけないので納得できる範囲内。
事前情報を目に入れないようにしていても噂の段階で耳に入ってしまっていたが、それでも冒頭早々いつものナレーションベースの時点で黒幕の名前が出てしまっていたのは、できればもう少し引っ張ってほしかった。だがその後の展開のボリュームを考えるとそうせざるを得ないというのも納得。
・レイの出自は結局どうなの?
・結局スノークってなんだったんだ?
・唐突なレイアのフォース的な生還劇はただの血筋?
など、エピソード7、8での疑問や謎はきちんと解決してすっきりしたし、中盤のチューイの咆哮は数十年の重みを思い涙してしまったし、そこから終盤へ向けての流れはまさにスカイウォーカー家にまつわるストーリーの総決算と言った感じで最高、ラストシーンに再び涙した。
そしてクレジットが流れる中、前述のようにSWが自分の人生と密接に歩んできたことを思い出し、感謝の感情が溢れてきた。
そうなんだよ。
一本一本に不満があったりすることもあるけど、その時その時の人生の1シーンと切り離せないような、こんな映画は他に殆どなくて、唯一無二の存在なんだよ。
ありがとう、スターウォーズ!
ドクター・スリープ
あのキューブリックの名作シャイニングの続編。
うーん、面白かったんだけど何か「思ってたんとちゃう」感が。
ジャンルがサイコホラーと思ってたらファンタジー映画だった、みたいな感じ?
ユアン・マクレガー好きだし、ファンサービスなカットも沢山あったし、テンポも良かったので飽きずに最後まで見られたんだけどどうも釈然としない。
メインの話がサイキックバトルでハリー・ポッターか何かのようだったが、そこに例のオーバールックホテルを無理にこじつけて帳尻合わせたような印象。
話の構成がどこか雑然としていて、強力なシャイニング(能力)を持つ守るべき少女アブラが強すぎなので、それを狙うラスボスローズがそこまで脅威に見えず、倒すためにはホテルの悪霊たちの力を利用せざるを得ないという必然性があまり感じられないというところもすんなり肚に落ちない理由だと思われ。
原作未読だけど読んでいたらまた印象変わりそう。
いや面白かったんだけどね。
歴史の影で連綿と生き抜いてきた闇の集団はロマン。良かった。
師弟関係のようなシステムがあったり、死後霊体で師匠と話せたり、主役がユアン・マクレガーなのも相まって、シャイニング=フォースでシャイニング使い=ジェダイみたいだった。
遠隔での力の行使は「最後のジェダイ」でルークがやった新技を彷彿とさせたし。
物語序盤の髭面で堕落した大人ダニーは、アナキンを失ってヤケになって酒に溺れたオビ=ワンかと思ったよ。
あと便器に顔を埋めるシーンと、赤子の死霊?の遠視のシーンはトレインスポッティングを思い出した。
パパがそっくりさん感が出ててむしろ面白かったw
感想もまとまりなくなってきたけど、やっぱりまとまりが悪い惜しい続編、続編じゃなくてスピンオフっぽい続編。前作は芸術作品、今作は娯楽作品。って感じ。
むしろスピンオフとして割り切って、ホテルむりやり絡めずサイキックバトルで完結してたほうが映画としては完成度高くなってそう。
いや、面白かったんだけどねw
ターミネーター ニューフェイト
低予算映画でヒットした1、当時としては革新的なCG技術で大ヒットした2、その後3,4,5と続編が出るごとに前作は黒歴史と言われ続けて、4度目の正直?として満を持して作られたニューフェイト。
確かに「これじゃないジョン・コナー」だったり「なんだこれターミネーター」だったりしたけど、それはそれで全部ひっくるめて時間軸やら世界線が云々でなんとなく片付けられるのがこのシリーズ。
もはや「今度は本気だから!」ってのが信用されなかったらしく日本以外では興行的に苦戦しているらしいが、ジェームスキャメロンが一応関わってるだけあって(アバター2で忙しいのでさらっとな感じっぽいが)確かに『正統な2の続編』していて、個人的にはとても良かった。
正統たる所以はやはりサラ・コナーことリンダ・ハミルトンの出演と、T-Xの進化系ターミネーターRev-9や、標的にされる者と守護者の関係性など随所に2のオマージュを感じさせる要素があった。
個人的にはグレースのアクションが格好良くて好き。あとはサラ・コナーの登場シーンが格好良かった。
あと興味深かったのが、IT技術の進化に伴うターミネーターの標的の捜索手段の進化。
1は電話帳で探すしかなかったのが、2では警察のデータベース(ジョンがATMハッキングして現金盗んでたりもしてたね)、今回はインターネット、防犯カメラ、ドローン、衛星とターミネーターにとっても便利な世界。我々が現実世界で漠然と感じる技術への不安を具現化していたのが面白かった。
今回は、作品的には黒歴史じゃないと思うんだけど、興業的に黒歴史になって続編は当分出なくなっちゃうのかな〜?
JOKER
アメコミらしくないアメコミ映画。
一言で言うなら『21世紀のタクシードライバー』。
絶望的な日々を生きるアーサーがJOKERになるまで、と言うエピソード0的な映画。
アーサーの悲しさと狂気を孕んだ笑い声と独特な踊りが印象深い。
鬱な映画ってことでなんとなく延び延びになっていて、遅ればせながら鑑賞。
観てみると主人公のアーサーは確かに絶望的で世の中に裏切られ続け、救いのない鬱屈したシーンが延々と続くが、見ていて精神的にもっと辛い映画はあるし、暴力もタランティーノ映画に比べればそこまでではないし、評判ほど鬱になる映画ということもなかった。逆に皆そんなにハッピーな映画ばかり見ているのかと思わなくもなかったり。
観ている者はアーサーが社会から裏切られ、憧れの存在から裏切られ、最も身近な存在にも裏切られる様を見せつけられるうちに、早く悪のカリスマとして覚醒して欲しいと思うが、話の構成的にアーサーが孤独で抑圧されているほど精神が解放された瞬間の爆発力が大きくなるのでまだまだここは怒りの貯蓄期間だと思いアーサーの厳しい生活を共に耐える。
そして、数々の裏切りと絶望の末に悪のカリスマJOKERが誕生した瞬間、精神の解放されたアーサーにある種の安堵感を覚える。
冒頭にアメコミらしくないアメコミ映画と書いたが、一般的なアメコミより心情や人物を深掘りしているのでアメコミらしくなく感じるのだと思うし、仮にアメコミじゃなくてもいい映画として仕上がりそうな出来で、残酷で無慈悲な社会とうまく関われない孤独な人間の暴走と言う構成がタクシードライバーを彷彿とさせる。
タクシードライバーの持たざる側であるトラビスだったデ・ニーロが、持つ側だったのがまた象徴的に映った。
ビンセント・ギャロ演じるバッファロー66のビリーもちょっと彷彿とさせたけど、あっちは悲壮感漂うもののコミカルでハッピーな話だからね♪
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
タランティーノ映画好きなら欲しくなる“BIG KAHUNA BURGER STAFF” T-SHIRTS
そういやかなり昔の若い頃に、ビリー・ミリガンや佐川一政のパリ人肉事件やマンソンファミリーのシャロンテート事件やらのちょっと悪趣味で衝撃的な事件についての本を興味本位で読んでた時期があったなー。
マリリンマンソンの名前の由来にもなったカルト集団マンソンファミリーの引き起こしたシャロンテート事件の頃のハリウッドの映画業界を描いた本作。ブラピとレオナルド・ディカプリオの大スターがタランティーノ映画で共演と言うだけで無条件に見なきゃと思わせるものがある。
内容の方はいつものタランティーノのオタク丸出し(いい意味で)な映画だが、過去の作風より人生の苦悩や掛け替えのない日常など、何か心に訴えかけるものが描かれている。
そもそも70年代頃のデザインやファッションってオシャレだと思うのだが、タランティーノマジックによってさらに魅力的に映っていて、2時間の間その世界に入り込んで過ごす事が快適というか楽しかった。マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートも綺麗だったし、ヒッピーのプッシーキャットもキュート、ディカプリオも良かったがとにかく終始大人の余裕を纏っているブラピがかっこ良くて、何も起きなくても見ていて飽きない感じだった。
子役の女の子が演技も上手ですごく可愛かった。数年後ティーン映画で主役級で出て、大女優になるに違いない。そしてディカプリオはこの娘とのシーンが良かった。ギルバート・グレイプで初めて見た知的障害の子を演じるディカプリオの演技は、本物かと思うほどだったが、本作でのディカプリオの本気の悪役の劇中演技が迫真で元祖天才子役の実力を見せつけていた。
笑えるシーンもちょこちょことありつつ、タランティーノお約束の流れになるのは解っていて、史実として起こった事件も知っているので最後はどんな収め方にするのかと思っていたが、そこには傷ついたハリウッドへの救いがあった。
そしてむちゃくちゃ具合に大爆笑。
あ、これから観る人、ラストのクレジット中にタランティーノファンなら喜ぶネタ来るので帰っちゃダメ!
とにかく10作で引退宣言しているタランティーノだがこれが9作目。
次で最後。今作は結構映画オタクな映画監督の原点回帰っぽい作品だったが次はどんなのかな。
あれ、スタートレックの次回作タランティーノ説どっかで見たけどその場合これ10作目になるのかね?
見終わったあとはレビューあまり書くことないと思ってたのに書いてたら長くなっちゃったw
レディ・プレイヤー1
大好き。
アメリカも日本も元気だったいい時代の空気が漂っている中年キラーな映画。
映画好き、ゲームや漫画などのポップカルチャー好き、特に80年代好きな人は観るべき映画。
異論はあると思うが、個人的にキングオブ映画はバックトゥーザフューチャーだと思っている。予告や事前に観たレディ・プレイヤー1 の印象はBTTFを彷彿とさせ、21世紀のBTTFの出現かと思いワクワクしながら劇場に向かった。
結果から言うとその予感は半分アタリで半分ハズレといった感じだった。RP1はBTTFのように王道の娯楽映画で、笑えてドキドキ出来てじんわりするところもあり鑑賞後は爽快感が残る。多くの版権物キャラの出演は、BTTFのナイキやピザハットのように現実世界と地続きの未来世界であることを感じさせる楽しい要素だし、随所に観るものを楽しませるサービス精神あふれる要素が盛り沢山だ。
しかしBTTFには及ばず、小粒感がある。BTTFを名作とするならRP1は佳作といったところ。
それでも膨大な版権キャラを探すのも楽しいし、随所に散りばめられた映画ネタや漫画ネタを見つけるのも楽しい。
元ネタを知らなくても純粋に楽しめる冒険活劇になっているので誰にでも楽しめる映画ではあるのだが、劇中の物語上重要な鍵である某名作映画のパロディシーンでは「あ〜エレベーターの方行ったら…ホラー言わんこっちゃない!」と心から楽しめたりと元ネタを知ってるほど楽しめる映画であるのは確か。
しかしスピルバーグ監督も高齢なのにVRのツボを押さえてしっかり仕上げているのは流石だなぁ。
ボヘミアン・ラプソディ
公開数日後に有楽町の爆音映画祭で見たんだっけかな?
感想は一言で言うと最高としか言いようがなかった。
QUEENの成功と挫折、フレディがAIDSで亡くなるまで駆け抜けた短い生涯を描いた物語。慢心の末に見失った大切なものがなんであるかを最終的に気付き、ラストのライブエイドで一気に盛り上がるといった感じ。
(ほぼ)実話通りな分、映画のストーリーとして見るとありきたりな筋書きで序盤などはトントン拍子に成功していくので、もっと苦労したほうが終盤の盛り上がりがさらに際立ちそうだとは思ったが、そんな事はどうでもよくなるほど音楽が良く、音楽の良さだけで最高と言わしめる映画。
観終わった後は映画ではなく最高のライブを鑑賞した後のような気分になる。
これこそ映画館で観るべき映画だ。
帰宅後すぐにyoutubeで実際のライブエイドの映像を見たが、ほぼ完コピだった。
再現度高すぎぃ!
キングダム
原作漫画の大ファンで全巻集めているので観に行かざるをえないということで観に行ったが、あまり期待していなかった分だいぶ良かった。
ストーリーはほぼ原作通りで、一部端折ってはいるものの映像で時間の制約があることを考えると妥当だし、キャストの違和感も無く原作ファンとしてもあまり不満が無い出来栄え。
主役の山崎賢人も良かったし、吉沢亮の政は再現度も高く王の威厳や気品も有りかなり良かった。配役の時点でどうなんだと思った大沢たかおの王騎は予想を超えて王騎していたw
長澤まさみの楊端和も良かった。山界の女王としての強さや美しさが素晴らしかった。
本郷奏多の成キョウがかなり良かった。小物感と性格のねじ曲がった感じをよく表現していた。
やや残念だったのは、橋本環奈のテンが一人でたくましく生きている孤児なのに小綺麗すぎてかつふくよかなので、少し痩せてかつ汚すぐらいはして欲しかった。
あとは山界の戦士バジオウとタジフとの交流がもうちょっとあって欲しかった。さらっとしてたので原作知らない人にとってはモブキャラと区別つかないレベルだった。
原作のストーリー上では、ここまででも面白いけどここから何倍も面白くなるというところなのでぜひ続編を作って欲しい。最高潮に盛り上がる合従軍編の函谷関の戦いぐらいまでは観たい。
その為には今作の興行が成功裏に終わることが必須だと思うが、興行成績もなかなか良さそうなので期待できるかも?
続編が出来るとしたらキョウカイの配役が気になるところだが、アメトークのキングダム芸人の時のコジルリはかなり似てたのでいいと思うが、そうはならないかなぁ。
アメリカンアニマルズ
公開二日目に近所のローカルシネコンで見たが、シネコン自体は「うちの執事が言うことには」目当てと思われる女子中学生ぐらいの子達で大盛況。
「アメリカン・アニマルズ」自体はガラガラで意外と年配のお客さんが多く、自分の前の席には老人が3人並んでいて変装でもしてるのかと思ったw
肝心の映画の方はというと、結構面白かった。
現在の本人や家族へのインタビューと、当時の自分の回想が交互に流れる変わった構成と、オーシャンズシリーズやレザボアドッグスを仄めかすシーンに、序盤のうちは1970年代の時計仕掛けのオレンジ、1990年代のトレインスポッティングなどのように時代を代表する「鬱屈した若者の苦悩と暴走」的な映画に匹敵するのか?と期待を膨らませたが、面白かったもののそこまでには至らず。
映画館を訪れた時点ではてっきりスタイリッシュ犯罪映画なのかと思っていたが、冒頭で「実話を”基に”映画化したもの」ではなく「実話を映画化」したものと宣言していた通り、洗練されたプロの犯行とは程遠く、計画は杜撰で学生レベルの浅はかさがリアルに表現されているし、実話なのでフィクションのようにワクワクする展開もなくある意味想像通りの流れと結末を迎えるので鑑賞後の爽快感やカタルシスも無い。
とはいえ素人の学生が大胆な犯行をしたドキュメントとしては、計画段階の楽しさや実行シーンのハラハラドキドキ感はリアリティがあったし、コントのように間抜けなドタバタするシーンは笑えるし、楽しめた。
これは映画っぽく無いなぁと考えていたが、一言でいうなら自分的にしっくりくる表現が思い浮かんだ。
映画版世界仰天ニュース。
本人のインタビューと、再現VTRの構成はまさにそれ。
回想シーンが本人たちの記憶(もしくは証言)によってぶれるところはよりリアリティ
があって良かった。
シャイニング
シャイニングのジャックをOBEY風に仕上げた映画Tシャツ。
1980年のアメリカ映画シャイニング。スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック脚本監督。
雪深い立地で厳冬期は閉鎖されるオーバールックホテルの管理人として住み込みで勤めることになった小説家の男とその家族のお話。
続きを読むエスケープフロムLA
仕事の際に聖書の一説を唱える殺し屋ジュールスをモチーフにした映画Tシャツ。
ニューヨーク1997の続編、1996年のアメリカ映画エスケープフロムLA。
カート・ラッセル主演の2013年を舞台とした近未来B級映画。
続きを読むGOAL!
90年代の(悲惨な)青春映画といえばこれ。映画トレインスポッティングのTシャツ。
2005年のサッカーを題材にした映画GOAL!。
子供の頃にアメリカの国境を越えた不法移民のメキシコ人が主人公の話。
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