映画好きは映画Tシャツを着て映画を見に行くか

とある映画Tシャツ好きの、記憶力の悪い男が映画を見た感想を忘れないように書き綴っていく感動の物語

スラムドッグ$ミリオネア

obey風に仕上げた映画シャイニングがモチーフのTシャツはこちら


 

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 2008年のイギリス映画シャイニング。トレインスポッティングや28日後など結構幅広いジャンルの映画を撮っているダニー・ボイル監督の作品。

結構良かった。

イギリス発祥のクイズバラエティ番組のミリオネアを骨組みにしたストーリー構成で、ミリオネアに挑戦していく過程と、不正疑惑を受けて警察に半生を語るシーンが連動して物語が進むなかなか凝った作りになっている。

 

 

主人公のジャマールと兄サリームはスラム出身の孤児で、苛酷な環境の中で時には盗み、時には人を騙し逞しく生きていくが、不遇な境遇とはいえ同じスラムを扱った映画「シティオブゴッド」などと比べると子供が子供を銃で撃ち殺すような悲惨さがない事と、インド特有の厳しさとおおらかさのない交ぜになった混沌さでどこか楽しい作りになっている。また他人に冷徹で時に人の道を踏み外す兄の存在も、乱暴な中にも唯一残された肉親の弟をなんだかんだ言いつつも守る気持ちがあるところに救いがある。

特に前半は苛烈な運命ながらも子供の屈託のない笑顔や生きるための無邪気な犯罪で、どこかインド版スタンドバイミーのような冒険譚になっていて楽しい。

後半はジャマールの人生のかかった大勝負に引き込まれる流れ。

初恋の人と結ばれるということと、ミリオネアで全問正解することは同じくらい確率が低く幸運なことだけど、ジャマールはその両方を手に入れるのか、片方なのか、どちらも失ってしまうのかは観てのお楽しみ。

一見変わった作りだけど、面白くて最後は心に響くような構成で教科書どおりのような映画。

あ、あと兄サリームの最後の粋な計らいと、映画冒頭と最後の選択肢がオシャレです。

エンドロールのボリウッド的群舞も可愛い。

 

また、この映画を取り巻く現実世界で、出演料問題や子役の人身売買疑惑があったようで子供を食い物にする大人がいるということがより映画にリアリティを与えている。