アメリカンアニマルズ
公開二日目に近所のローカルシネコンで見たが、シネコン自体は「うちの執事が言うことには」目当てと思われる女子中学生ぐらいの子達で大盛況。
「アメリカン・アニマルズ」自体はガラガラで意外と年配のお客さんが多く、自分の前の席には老人が3人並んでいて変装でもしてるのかと思ったw
肝心の映画の方はというと、結構面白かった。
現在の本人や家族へのインタビューと、当時の自分の回想が交互に流れる変わった構成と、オーシャンズシリーズやレザボアドッグスを仄めかすシーンに、序盤のうちは1970年代の時計仕掛けのオレンジ、1990年代のトレインスポッティングなどのように時代を代表する「鬱屈した若者の苦悩と暴走」的な映画に匹敵するのか?と期待を膨らませたが、面白かったもののそこまでには至らず。
映画館を訪れた時点ではてっきりスタイリッシュ犯罪映画なのかと思っていたが、冒頭で「実話を”基に”映画化したもの」ではなく「実話を映画化」したものと宣言していた通り、洗練されたプロの犯行とは程遠く、計画は杜撰で学生レベルの浅はかさがリアルに表現されているし、実話なのでフィクションのようにワクワクする展開もなくある意味想像通りの流れと結末を迎えるので鑑賞後の爽快感やカタルシスも無い。
とはいえ素人の学生が大胆な犯行をしたドキュメントとしては、計画段階の楽しさや実行シーンのハラハラドキドキ感はリアリティがあったし、コントのように間抜けなドタバタするシーンは笑えるし、楽しめた。
これは映画っぽく無いなぁと考えていたが、一言でいうなら自分的にしっくりくる表現が思い浮かんだ。
映画版世界仰天ニュース。
本人のインタビューと、再現VTRの構成はまさにそれ。
回想シーンが本人たちの記憶(もしくは証言)によってぶれるところはよりリアリティ
があって良かった。