映画好きは映画Tシャツを着て映画を見に行くか

とある映画Tシャツ好きの、記憶力の悪い男が映画を見た感想を忘れないように書き綴っていく感動の物語

月に囚われた男

グラインドハウスをモチーフにしたオリジナル映画Tシャツはこちら


f:id:rocketman666:20140328175059p:plain


2009年のイギリスの映画。月面のエネルギー採掘基地を舞台にした近未来SFモノ。採掘基地に常駐している、もうすぐ三年間の契約満了間近なサムという男のお話。

アクションや爆発のような派手さは無く地味に静々と物語が進んでいきますが結構この映画好き。

SFやファンタジーこそどこかリアリティを散りばめないと陳腐に見えてしまうものだけど、細かいところはさておき、トンデモなSFではなくてもしかしたらあるかもと思わせる設定、現在の宇宙技術の半歩だけ先にありそうな技術、つるつるぴかぴかではない使用感の有る機器と、そこそこなリアルさがいい感じ。 ごりごりのCG満載な感じも無く、スターウォーズのIV位にしか見えない感じも丁度いい。通信機器や各種設備が古臭くも無く新し過ぎないデザインも好き。

 

また、あまり書くとネタバレになるので細かくは書かないけど圧倒的な登場人物の少なさと淡々とすすむ雰囲気が妙に染み渡ってすんなり入ってきた。

月面が舞台、それもほぼ基地内での密室劇のような話だけど、よくよく考えたら意外に壮大で永遠を感じさせる設定と物語は手塚治虫火の鳥のシリーズの一篇にあってもおかしくない。というか火の鳥っぽい。

あと補佐役のガーティが妙に話のわかる融通の利くロボットで、最初はあのスマイルマークはちょっと小馬鹿にした感じに見えていたけど、映画終盤はちゃんとした表情のように感じられた。ってガーティ、ケビン・スペイシーだったのか。

余談だけど基地とか設備に書かれている文字にハングルがあったり、帰還時に流れる解説ムービーの挨拶が韓国語だったりとルナインダストリーは韓国企業という設定のようですが、80年代の映画の敵役に良く日本企業が出てきたように、欧米的に脅威に感じたり疎ましく感じているのかね。中国企業のほうが設定として選ばれそうなもんだけど欧米から見るとそうでもないのか、5年前はまだそうでもないのか…。

ともかく、ガタカとかあのへんのしっとり系SFが好きな人は気に入ると思います。